電機業界売上5年連続拡大、受注は減少

独電気電子工業会(ZVEI)が8日発表した独業界の2018年の売上高は前年比1.9%増の1,950億ユーロとなり、過去最高を更新した。増加は5年連続。通商摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題などを背景に伸び率は前年の7.3%を大きく下回ったものの、プラス成長を確保した。生産高も実質1.9%増加した。

18年の新規受注高は0.3%減少した。国内受注が2.3%落ち込んで足を引っ張った格好。国外はユーロ圏(ドイツを除く)が1.5%増、ユーロ圏外が1.4%増だった。

18年12月の新規受注高は前年同月比12.2%減と大きく落ち込んだ。景気減速のほか、大型受注がまったくなかったことが響いた。受注を地域別でみると、ユーロ圏外が23.4%減と特に振るわず、国内も6.8%縮小した。ユーロ圏は1.0%増加した。

12月の生産高は前年同月比で実質9.3%減少した。今年1月時点の工場稼働率は前月比0.1ポイント減の87.6%。同受注残は3.8カ月で、0.5カ月増加した。

業界企業を対象とする1月のアンケート調査では、今後3カ月間の生産高を「拡大する」との回答が29%に上り、「縮小する」は10%にとどまった。

12月の業界売上高は152億ユーロで、前年同月を11.5%下回った。国内が13.8%減の71億ユーロ、ユーロ圏が14.5%減の28億ユーロ、ユーロ圏外が6.5%減の53億ユーロとすべての地域で落ち込んだ。

1月の業界景況感はほぼ横ばいを保った。現状判断が大きく悪化したものの、今後の見通しが大幅に改善したことから、差し引きで変化がほとんどなかった。ただ、今後の見通しを「良い」とする回答の割合は「悪い」を5ポイント下回っており、先行きに悲観的な企業の方が多い。

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