自動車大手ダイムラーの移動サービス子会社ダイムラー・モビリティ・サービシズは9日、独南部のミュンヘンで電動キックボードのパイロットプロジェクト(PP)を開始した。同国では電動キックボードの公道走行が許可されていないが、近い将来の解禁を見越して同市と独北部のハンブルクで実用テストを実施する。
自動車の走行が禁止されているミュンヘンのシュバービンガー・トーア地区でプロジェクトを開始した。電動キックボードおよそ30台を無料で提供する。ダイムラー・モビリティ・サービシズ傘下のタクシー仲介アプリ子会社マイタクシーが「ハイブ(Hive)」ブランドでサービスを行う。
ハンブルクでは高エネルギー加速器・高エネルギー物理学の研究所「ヘルムホルツ協会ドイツ電子シンクロトロン(DESY)」の敷地内で16日からプロジェクトを行う。電動キックボード100台を提供。研究者や職員およそ3,000人が利用できる。
電動キックボードは都市部の短距離移動に適していることから、独政府は先ごろ、公道走行の解禁に向けた政令案を了承した。州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)が承認すれば、施行される。すべての州は解禁を原則支持しているものの、歩行者の安全確保策など政令案の個々の規定には批判もあり、連邦参議院で可決されるかは現時点で不明だ。
マイタクシーは昨年11月、ハイブの初プロジェクトをポルトガルの首都リスボンで開始した。