ドイツ銀とコメ銀が合併協議打ち切り

独金融大手のドイツ銀行とコメルツ銀行は4月25日、合併協議を打ち切ったと発表した。株主とその他の利害関係者の利益にならないと判断したため。コメ銀に対しては同業の伊ウニクレディトと蘭INGが合併の打診を行っているもようで、同行は今後、これらの銀行と協議する可能性が高い。ドイツ銀についても傘下の資産運用会社SWSをスイス銀最大手UBSの資産運用部門と統合する方向で交渉しているとの観測が浮上しており、欧州の金融業界では再編に向けた動きが活発化している。

ドイツ銀とコメ銀は3月、合併協議を正式に開始した。政府の強い要請を受けたもので、両行は当初から、結果ありきの交渉は行わないとして、合併するかどうかは未定だと強調していた。

ドイツ銀のクリスティアン・ゼーヴィング頭取は声明で、「合併するのであれば我々は株主のためにより高くかつ持続的な利益率を実現し、顧客に対してもより魅力的なサービスを提供できるようにならなければならない」と指摘。詳細な分析の結果、両行の合併は十分な規模の付加価値を生み出さないことが明らかになったため、協議を打ち切ったと説明した。両行の統合に伴うコストや自己資本規制上のリスクもマイナスの判断要因になったとしている。

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