電動車充電用コンバーター、高出力・小型化に日立金属と独研究機関が成功

日立金属は4月16日、同社のグローバル技術革新センター(GRIT)と独フラウンホーファー集積システム・デバイス技術研究所(IISB)が電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)に搭載されるオンボードチャージャー(OBC)の高電力密度化技術の開発に成功したと発表した。試作したOBCが現時点で世界最高の高出力密度である3.8キロワット(kW)で動作することを確認した。

OBCは交流電圧を直流電圧に変換し、EVやPHEVの電池に充電するためのAC/DCコンバーター。短時間で充電するために高出力であることが求められるとともに、車内を広く保つために小型であることも求められているものの、OBCの高出力化と小型化はトレードオフの関係にあり、その両立が課題となっている。

両者が試作したOBCは日立金属の軟磁性部材とフラウンホーファーIISBの回路技術を用いることで、高出力化と小型化の両立を実現した。出力密度3.8kWと世界最高レベルの高電力密度を確認したことに加え、3台並列接続の3相入力により11kWでの正常動作も確認。さらに、複数台並列動作させることで単相および3相AC入力に対応でき、最大6台並列により22 kWの出力まで可能な設計となっている。

このような柔軟性を持たせることでOBCの設計時間とコストの大幅な削減も期待できる。

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