自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)が超小型乗用車「スマート」の米国、カナダ販売を停止する。現地の小型車市場が縮小しているため。米国の車両基準に適合させるコストもかさむことから撤退を決めた。業界紙『オートモティブ・ニュース』が報じ、同社の乗用車部門が追認した。交換部品の販売とメンテナンスサービスは継続する。
米国ではもともと小型車の需要が小さい。近年は景気の回復でSUVやピックアップなど大型の車両の需要が増えており、スマートの同国販売台数は昨年、前年の半分以下の1,276台へと落ち込んだ。
スマートのエンジン車についてはすでに17年時点で現地販売を終了した。需要を掘り起こせると考えていた電気自動車(EV)モデルについても販売減に歯止めがかからないことから、現行モデルの終了をもって両国での販売を停止する。
ダイムラーは今後、米国市場に投入するEVを大型のモデルに絞り込む意向だ。その第一弾としてSUV「EQC」を来年から販売する。