富士フイルム―内視鏡処置具製造の独社を買収―

富士フイルムは17日、内視鏡用処置具の開発、製造、販売を手がける独メドワークを完全買収することで合意したと発表した。これにより内視鏡処置具事業への本格参入を果たす。買収金額は明らかにしていない。

内視鏡用処置具は内視鏡と組み合わせて消化管内に確認された腫瘍の切除などに用いられる医療器具。消化器内科などで使用され、1回の検査・治療ごとに使い切る製品が大半を占める。内視鏡検査・治療は患者負担が少なく世界的に需要が増えていることから、処置具市場も成長が見込まれている。同市場では検査・治療方法が国や地域によって異なることを受けて、製品ニーズの多様化が進んでいる。

メドワークは1998年の設立。胆管や膵管、消化管の内視鏡処置に使用される製品を幅広く取りそろえている。欧州と日本を含むアジア地域に供給。欧州では即日納入など、医療用製品に求められる迅速なデリバリーサービスに対応している。

富士フイルムは様々な特徴を持った内視鏡システムを国内外で広く提供している。内視鏡用処置具分野では、低侵襲治療である内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)用を中心に、使いやすさを追求した処置具を提供してきた。メドワークを子会社化することで、処置具の製品ラインアップを大幅に拡充する。また、内視鏡ビジネスでこれまで培ってきた各国の医師との関係を活用して、市場ニーズにより見合った製品をメドワークと共同開発し、富士フイルムのグローバルな販売網を通じて提供していく。

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