ドイツ連邦統計局は13日、5月の消費者物価統計の詳細を発表した。それによると、インフレ率(ドイツ基準)は前年同月比が1.4%、前月比が0.2%で速報値と変わりがなかった。エネルギーは前年同月比4.2%増となり、上げ幅が前月の同4.6%から縮小。エネルギーを除いたインフレ率は1.2%だった。
エネルギーでは地域熱が5.5%、ハイオクガソリンが5.2%上昇。暖房用灯油(3.7%増)、天然ガス(3.4%増)、電力(3.2%増)、軽油(3.0%増)も3%台の高い伸びとなった。
食料品の上げ幅は0.9%で、前月の同0.8%をやや上回ったものの、低水準にとどまった。野菜が8.7%上昇したのに対し、果物は7.6%下落。食用油脂も4.9%落ち込んだ。
エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は1.3%だった。
食料品以外の消費財では雑誌(4.9%増)、たばこ(3.8%増)で上昇率が大きかった。電気製品はこれまでに引き続き大きく低下しており、下落幅は携帯電話機で9.6%、娯楽家電で6.9%に上った。
消費者物価に占める比重が53%に上るサービスは1.2%増となり、上げ幅は前月の同2.1%から大幅に縮小した。前月はイースター休暇で水準が押し上げられており、その反動が出た格好。聖霊降臨祭の祝日が昨年の5月から今年は6月にずれ込んだこともあり、パック旅行は前年同月を9.0%下回った。ただ、長距離バスは19.0%増と大きく上昇している。サービスではこのほか自動車整備・修理(4.7%増)と飲食(2.8%増)で上昇率が大きかった。
前月比ではエネルギーが1.6%上昇した。ハイオクガソリンが4.7%増、軽油が2.4%増、暖房用灯油が2.0%増と大きく伸びて全体を強く押し上げた格好。エネルギー以外では長距離バス(7.6%増)、果物(1.8%増)、野菜(0.9%)で上げ幅が大きかった。航空券(3.6%減)、パック旅行(2.4%減)、鉄道(1.7%減)は大幅に落ち込んでいる。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が1.3%、前月比が0.3%で、こちらも速報値と変わりがなかった。