NEC―独気象庁から気象予測システム受注―

NECは17日、欧州3大気象局のひとつであるドイツ気象庁から同社のベクトル型スーパーコンピューター「SX-Aurora

TUBASA」を利用する気象予測システムを受注したと発表した。受注規模は62億円。高い実行性能と省電力性能が受注獲得につながった。西村知泰執行役員常務は「この受注は、今後、欧州を中心に全世界の気象局への導入契機になると考えています」と語った。

ベクトル型スーパーコンピューターは多数の演算処理を一括して同時に処理できるという特徴を持つ。このため、膨大な量の類似データを処理する必要がある自然現象などの解析処理に適している。

ドイツ気象庁は短期および長期的な気象と気候現象のモニタリング、分析、予報などのサービスを提供している。これらのサービスは航空機・船舶などの交通分野や、エネルギー・通信などのライフライン分野で、安全な運行・運用を実現するために活用されている。NECが今回受注した気象予測システムは欧州最大級となる。

同庁は従来よりも精度の高い気象警報・予報の実現に向けて、まず11月末までに現行と同規模のシステムを導入し、来年までには現行システムの3倍の性能へと増強。予測モデルを強化する。2022年にはSX-Aurora

TSUBASAの後継機を追加導入する計画だ。

上部へスクロール