ドイツ連邦統計局は16日、5月の消費者物価統計の詳細を発表した。それによると、インフレ率(ドイツ基準)は前年同月比が0.6%、前月比がマイナス0.1%で、ともに速報値と変わりがなかった。エネルギーは前年同月比で8.5%下落しており、エネルギーを除いたインフレ率は1.6%だった。
エネルギーでは石油製品が軒並み低下し、全体を強く押し下げた。下落幅は灯油で30.5%、ハイオクガソリンで21.6%、軽油で19.0%に上った。電力は4.2%、天然ガスは1.7%上昇した。
食料品の上げ幅は4.5%となり前月の4.8%からやや縮小したものの、依然として大きかった。果物と食肉・肉製品がそれぞれ10.5%、9.2%上昇して、全体を押し上げた。野菜は2.7%増、食用油脂は4.5%減。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は1.2%で前月と同水準にとどまった。
消費者物価に占める比重が53%に上るサービスは1.3%増となり、上げ幅はインフレ率を大きく上回った。新型コロナ感染予防策の義務化を受けて美容・理容/ボディケアサービスが4.4%上昇。飲食・喫茶も2.4%高くなった。
前月比ではエネルギーが1.3%低下した。暖房用灯油の下落幅が7.0%と特に大きかった。食料品は0.1%の上昇で、エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は0.0%だった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が0.5%、前月比が0.0%で、こちらも速報値と変わりがなかった。