中国事情の改善進む=機械業界、新型コロナの影響はおおむね解消

中国の機械業界の状況が一段と改善しているもようだ。ドイツ機械工業連盟(VDMA)の現地事務所が会員企業およそ140社を対象に実施した最新アンケート調査によると、新型コロナ危機の影響が「大きい」との回答は22%となり、4月の46%から大幅に低下。3月の第1回調査(57%)に比べると35ポイントも少なくなった。影響が「小さい」は24%で、前回の13%から11ポイント増加している。

今年の業績目標を達成できるとの回答は30%に上った。中国政府の包括的な景気刺激策を受けて同国市場が急速に回復していることが大きい。

物流事情も改善しており、サプライチェーンに「大きな支障がある」企業は4月の66%から36%へとほぼ半減した。「ほとんど支障がない」は49%、「まったく支障がない」は15%に上る。

一方、本社のある欧州の状況に問題があるとの回答は42%と比較的、多かった。中国事業との関係では「製品供給の遅れ」(48%)、「技術サポートの欠如」(47%)、「決定の延期」(35%)との回答が多かった。VDMA中国事務所の責任者は「本社が聞く耳を持たないため、中国事業の現在のポテンシャルを引き出せない」との回答も複数あったことを明らかにした。

新型コロナ危機を受けて中国の顧客企業が投資プロジェクトを延期したとの回答は52%に達した。投資計画の撤回も4%あり、中国企業の多くが先行きに慎重になっていることがうかがわれる。

中国政府が実施している入国制限については80%が大きな影響を受けていると回答した。

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