独フォルクスワーゲン(VW)グループ全体の車載ソフトウエアを開発する事業ユニットは7月1日付で活動を開始する予定だ。同ユニットの統括責任者クリスティアン・ゼーグナー氏が20日、明かにしたもので、同氏は「フォルクスワーゲンは車両アーキテクチャーに対する主導権を完全に掌握する考えだ。エレクトロニクスも含めてね」と明言した。
自動車には現在、多数の制御機器が搭載されている。例えばVWブランド乗用車の車両には200社に上るサプライヤーが供給する制御機器が最大70個、搭載。これらの機器にはそれぞれソフトが搭載されていることから、スムーズに連携させるのは大きな手間となっている。同社はグループの全車両に共通のOS「vw.os」を搭載することで、この問題を解決する考えだ。
VWはこの課題に取り組みために車載ソフト開発ユニットを新設し、2024年までにOSを完成させる計画。車載ソフトの内製比率も25年までに現在の10%未満から60%へと引き上げていく。
ゼーグナー氏はソフト開発で提携、合弁、出資といった手段を活用することに前向きな姿勢を示した。ただ、VWがアーキテクチャーの主導権を完全に掌握し、グループの車両の標準を自ら設定することを前提条件としており、「(VWグループ)車のデータに第三者が全面的にアクセスすることはできない」と強調した。