コメルツ銀行―頭取と監査役会長が辞任へ―

独民間2位銀行のコメルツ銀行(フランクフルト)は3日、マルティン・ツィールケ頭取が辞意を表明したことを明らかにした。踏み込んだ経営改革を求める株主と、これに抵抗する従業員の板挟みとなっていたことが原因とみられる。同頭取の路線を支持してきたシュテファン・シュミットマン監査役会長も8月3日付で辞任する。

コメ銀は昨年9月、新戦略「コメルツバンク5.0」を発表した。時代の変化に合わせてデジタル化を推進するとともに国内の支店を統廃合するというもので、フルタイムの行員4万人のうち4,300人を整理するとしていた。

これに対し第2位株主の米投資会社サーベラスは改革が不十分だと批判し、支店と従業員の削減規模を大幅に増やすよう要求。6月に公開した監査役会宛ての文書では、経営陣が要求に応じない場合は「別の手段」で目的を貫徹する意向を表明していた。これを受けて従業員の間には、経営陣が人員削減規模を7,000~1万1,000人に拡大するとの観測が浮上。激しい抗議活動が繰り広げられていた。

ツィールケ頭取は声明で、「財務パフォーマンスは満足できるものでなかったし、現在も満足できない」と述べ引責辞任することを明らかにした。監査役会の指名委員会は同頭取の委任契約を12月末までに解除することを、監査役会に提案することを決議した。監査役会は8日に決定を下す。

シュミットマン監査役会長は「わが行と取締役会、従業員は根本的な変革を目前に控えている。それは多くの力と努力を必要とする。それは再燃を繰り返す人事論争抜きに行われるべきだ」と述べ、今回の人事刷新により改革がスムーズに進むことに期待を表明した。

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