ドイツ連邦統計局が9日発表した5月の輸出高(暫定値)は前年同月比29.7%減の803億ユーロとなり、前月(同31.1%減)に引き続き大幅に落ち込んだ。新型コロナウイルス感染症の流行が世界的に広がっていることが響いた格好。輸入高(同)も21.7%減の732億ユーロへと後退した。
貿易収支は71億ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前年同月に比べ65.7%縮小した。経常黒字も51.1%減の65億ユーロへと落ち込んでいる。
輸出を仕向け先地域別でみると、ユーロ圏は29.1%減、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国は28.6%減、EU域外は30.5%減と、すべて30%前後の落ち込みとなった。輸入はユーロ圏が25.2%減、EUのユーロ非加盟国が25.3%減、EU域外が17.5%減だった。
輸出の減少幅は英国(-46.9%)、米国(-36.5%)向けで大きかった。中国は12.3%と比較的小さい。中国からの輸入は23.4%増えた。
輸出高は前月比では実質(営業日数・季節要因調整値)9.0%増加した。前月に比べ経済活動が活発だったことが大きい。輸入高も同3.5%拡大した。
1~5月の輸出高は4,810億ユーロで、前年同期を14.1%下回った。ユーロ圏向けが16.6%、EUのユーロ非加盟国向けが10.7%、EU域外向けが13.3%落ち込んだ。
1~5月の輸入高も10.3%減の4,188億ユーロへと後退した。後退幅はユーロ圏が13.9%、EUのユーロ非加盟国が13.1%、EU域外が6.3%だった。
貿易収支の黒字幅は621億ユーロで、前年同期を33.3%下回った。経常黒字も17.3%減って812億ユーロとなった。