ドイツ連邦統計局は14日、6月の消費者物価統計の詳細を発表した。それによると、インフレ率(ドイツ基準)は前年同月比が0.9%、前月比が0.6%で、ともに速報値と変わりがなかった。エネルギーは前年同月比で6.2%下落したものの、下げ幅は前月の同8.5%から縮小しており、インフレ率は前月の0.6%から0.3ポイント上昇した。
エネルギーでは石油製品が全体を強く押し下げた。ただ、原油価格が国際市場で上昇に転じたことから、前年同月比の下落幅は灯油で前月の30.5%から26.5%、ハイオクガソリンで21.6%から15.9%、軽油で19.0%から13.4%に縮小した。電力は4.1%、天然ガスは1.5%上昇した。エネルギーを除いたインフレ率は前月と同じ1.6%だった。
食料品の上げ幅は4.4%となり前月の4.5%からやや縮小したものの、依然として大きかった。果物と食肉・肉製品がそれぞれ11.1%、8.2%上昇して、全体を押し上げた。野菜は1.4%増、食用油脂は3.6%減。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は1.3%で、前月を0.1ポイント上回った。
消費者物価に占める比重が53%に上るサービスは1.4%増となり、上げ幅はインフレ率を大きく上回った。新型コロナ感染予防策の義務化を受けて美容・理容/ボディケアサービスが5.1%上昇。飲食・喫茶も2.6%高くなった。鉄道の付加価値税率が年初に引き下げられた効果で、長距離鉄道料金は16.0%低下した。
前月比ではエネルギーが1.3%上昇した。自動車燃料が5.0%高くなったほか、暖房用灯油の下落幅が前月の7.0%から2.3%に縮小したことが大きい。食料品は横ばいで、エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は0.6%だった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が0.8%、前月比が0.7%で、こちらも速報値と変わりがなかった。前年同月比の上げ幅はユーロ圏平均の0.3%(速報値)を大きく上回っている。