化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は28日、自社製品の製造に伴い発生した二酸化炭素(CO2)の総量(カーボンフットプリント)を顧客に開示すると発表した。地球温暖化防止に向けた規制の強化を背景に製造業界では製品ライフサイクル全体で排出するCO2の量を減らす動きが強まっていることから、同社はカーボンフットプリント情報を提供することで、顧客がCO2排出削減に取り組みやすくする考えだ。自社製品のカーボンフットプリントが少ないことを明らかにすることで販売を促進する狙いもある。
BASFは合わせて約4万5,000種類の製品を製造・販売している。まずはこれらの製品の一部についてカーボンフットプリント情報を今後数カ月以内に開示。来年末までに開示対象を全製品に拡大していく。
同社はカーボンフットプリントの改善に向けて、◇石油や天然ガスに代わる植物などの再生可能な原料の投入◇リサイクルした樹脂の投入◇生産効率の改善◇再生可能エネルギー電力の使用◇CO2排出を抑制する生産技術の開発――に取り組んでいる。