化学大手の独ヘンケル(デュッセルドルフ)は7月31日、メーカーが自社のECサイトを用いて商品を直接、消費者に販売するD2C分野のスタートアップ企業、インヴィンシブル・ブランド・ホールディングを買収することで合意したと発表した。将来性の高いプレミアムコスメティック分野でD2C事業を大幅に強化し、製品開発を加速する意向だ。
インヴィンシブル・ブランドの株式75%を取得する。取引価格は非公開。残り25%は創業者と投資会社キャピタルDが引き続き保持する。取引の成立には独禁当局の承認が必要。
インヴィンシブル・ブランドはベルリンに本社を置く企業で、2015年に設立された。計8種類のD2Cブランドを展開。そのうちスキンケア、ボディケア、ヘアケア製品を提供する「ハローボディ」、ヘアケアに特化した「マーメード+ミー」、メーキャップ製品の「バナナ・ビューティ」は急速に成長している。従業員数は250人。19年7月から20年6月までの1年間の売上高は約1億ユーロに上った。
ヘンケルのマルティン・シュヴェルツラー取締役(ビューティケア事業担当)は「この買収により我々は魅力的な分野で急速に成長するプレミアムブランドのポートフォリオを強化する。消費者との1対1の関係を通して、ブランド品事業全体の重要な新製品を開発するのに役立つ価値ある知見を得ることになる」と述べた。