電池大手ファルタがサムスン電子と和解、コイン型電池の特許問題で

韓国のサムスン電子製ワイヤレスイヤホンに搭載されているリチウムイオン電池は自社の特許を侵害しているとして独電池大手のファルタが提訴しサムスン電子が逆提訴していた係争でファルタは3日、両社が特許訴訟の相互取り下げで合意したと発表した。他のワイヤレスイヤホンメーカーとの同様の訴訟でも近く、和解が成立する見通しとしている。

ファルタは充電可能なコイン型リチウムイオン電池の世界最大手メーカー。需要の急増を受けて生産能力の引き上げに取り組んでいるものの、ニーズの拡大に対応しきれない状況が続いている。中国2社(ミックパワーとEVE)がこの状況を受けて市場投入したコイン型電池がファルタの特許を侵害していたことから、ファルタは同2社、および同2社から電池を調達したワイヤレスイヤホンメーカーを提訴。また。同2社の電池を搭載したヘッドフォンの販売を停止するようネット通販大手のアマゾンや、家電量販チェーンのメディアマルクト、ザトゥーンなどに働きかけた。

ファルタは今回の和解により、サムスン製ワイヤレスイヤホン向け電池のメインサプライヤーに今後もとどまることが確定した。ファルタは売り上げの約90%をサムスン電子など4大顧客との取引で確保している。

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