高級乗用車大手の独BMW(ミュンヘン)が5日発表した2020年4-6月期(第2四半期)決算の営業利益(EBIT)は6億6,600万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(22億100万ユーロ)から大幅に悪化した。赤字転落は11年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた社会・経済規制が世界的に実施されたことが響いた格好。純損益も14億8,000万ユーロの黒字から2億1,200万ユーロの赤字へと悪化した。
売上高は199億7,300万ユーロで、前年同期を22.3%下回った。乗用車、オートバイ、金融サービスの3部門すべてで売り上げが減少した。
自動車の売上高は34.2%減の148億7,800万ユーロへと落ち込んだ。販売台数が25.3%減少。EBITは14億6,900万ユーロの黒字から15億5,400ユーロの赤字へと転落しており、売上高営業利益率は前年同期の6.5%からマイナス10.4%へと大きく悪化した。
1-6月期(上半期)のEBITは7億900万ユーロとなり、前年同期を74.6%下回ったものの、黒字を確保した。競合ダイムラーやフォルクスワーゲン(VW)は大型トラック事業が特に大きな足かせとなり、赤字となったが、BMWは商用車事業を展開していないことから、新型コロナ危機の影響が相対的に小さい。