特殊化学大手の独エボニック(エッセン)は8月26日、脱硫触媒を高効率に再生する技術を持つ米ポロセル・グループを買収すると発表した。触媒事業を強化する狙い。取引価格は2億1,000万ドル。当局の承認を経て買収手続きを年末に完了する。
ポロセルが持つ脱硫触媒の再生技術を用いると、脱硫触媒を新規に製造する場合に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量を50%以上、削減できるうえ、コストも低い。同社の技術に対するニーズは低硫黄燃料市場の拡大を背景に高まっている。
ポロセルはテキサス州ヒューストンに本社を置く企業で、米国とカナダ、ルクセンブルク、シンガポールに生産拠点を持つ。従業員数は300人強で、2019年の売上高は約1億ドルだった。売上高営業利益率(EBITDAベース)は約23%に上っており、エボニックが自社の目標とする18~20%を上回る。
エボニックはポロセルの買収により、大手製油所・石油化学会社との取引を本格化することや、ポロセルが持つ生産能力を活用し新生産施設を設置することなく自社の触媒の生産を拡大することも狙っている。