独投資会社ロケット・インターネット(ベルリン)は1日、上場廃止方針を発表した。上場の継続に伴い発生するコストの削減と、企業としての自由度を高め同社と経営資源のポテンシャルを引き出すことが狙い。同社は近年、本来の投資対象であるスタートアップ企業よりも不動産への投資を強化していることから、市場では上場廃止の観測が浮上していた。
ロケット・インターネットはネットビジネス分野のスタートアップに出資する投資会社。これまでにファッション通販のツァランド、食材通販のハロー・フレッシュ、出前仲介プラットホームのデリバリー・ヒーローなどの出資し、新規株式公開(IPO)を成功させてきた。
自らも事業拡大に向けて2014年にIPOを実施したものの、業績は思うように拡大していない。8月31日の株価(終値)は28.95ユーロと、公開価格(42.50ユーロ)の半分以下に落ち込んでいる。
同社は1日、計8.84%の自社株買いプログラムを15日まで実施することも明らかにした。買い取り価格は法律に基づく最低価格の18.57ユーロで、31日の終値を下回る水準。株主は同プログラムに応じるか、上場廃止後も株主にとどまるかの選択を迫られることになる。
上場廃止は24日の臨時株主総会で決議される。経営陣の出資比率が高いことから、承認されるのは確実と目されている。