白物家電市場にコロナの追い風

新型コロナウイルスの感染拡大が独白物家電市場の追い風となっている。在宅勤務や休校を受けて消費者が自宅で過ごす時間が全般的に増加したためだ。夏季バカンス旅行を見送った世帯の多くは家具や家電の買い替えに資金を投じたという事情も大きい。

独電気電子工業会(ZVEI)が8月28日発表したところによると、1-6月期(上半期)の大型白物家電売上高は前年同期比で約2%増加した。食品を大量に買い込む消費者が増えたことから、冷凍庫では成長率が30%を超えた。このほか洗濯乾燥機、オーブン、食洗器、レンジフード付き電気レンジで平均を上回る伸びを記録した。

小型白物家電の売上高は8%以上、増えた。ほとんどの製品分野で増加。伸び率は特に充電式ハンド掃除機、エスプレッソマシン、キッチンマシン、グリル機、空気清浄機で大きかった。

白物家電の上半期の輸出高は約3%減少した。4月と5月に前年同月をそれぞれ約12%割り込んだことが響いた。6月は13%増と好転している。

ZVEIは2020年全体の国内売上高(メーカーベース)が大型白物家電で前年比2%増の59億ユーロ、小型白物家電で同およそ5%増の32億ユーロに拡大すると予想している。上期に減少した輸出高についても、少なくとも前年と同水準の約94億ユーロまで回復するとの見方だ。

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