ドイツ連邦統計局のデータをもとに連邦経済省が7日発表した7月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比1.2%増の91.8(暫定値)となり、3カ月連続で改善したものの、上げ幅は前月の9.3%、前々月の7.4%から大きく縮小した。新型コロナ危機が始まる直前の2月(102.9)に比べると11ポイント以上、低い。経済省は、企業の先行き見通しの改善と操短の減少を受けて鉱工業の景気回復は今後も続くとしながらも、危機前の水準に戻るには時間がかかるとの見方を示した。
製造業が2.8%増えて全体をけん引した。中間財が4.0%伸びて2カ月連続で拡大。投資財は2.1%、消費財は1.8%増加した。業界別では自動車・自動車部品が6.9%増加したのに対し、機械は3.9%減少した。
エネルギー業は0.6%減、建設業は4.3%減となり、ともに3カ月ぶりに後退した。
指数の水準をみると、製造業は89.3にとどまった。投資財が85.6と特に低く、中間財も90.4と低迷している。消費財は97.3と、指標となる100に近い水準にある。エネルギー業は81.7、建設業は110.6だった。
鉱工業生産を特殊要因による変動が少ない2カ月単位の比較でみると、6~7月は前期の4~5月を実質13.8%上回った。前期はロックダウン(都市封鎖)の影響で4月の経済活動が大幅に停滞しており、その反動で伸び率が大きくなった。製造業では増加幅が17.9%に達した。建設業は0.1%増だった。