ドイツのユリア・クレックナー農相は10日、同国でアフリカ豚熱の感染が初めて確認されたと発表した。ドイツは豚肉の輸出国であることから、養豚農家は大きな打撃を受ける可能性がある。
ポーランドに国境を接するブランデンブルク州シュプレー・ナイセ郡で見つかったイノシシの死体からウイルスが検出された。ポーランド西部ではアフリカ豚熱が流行しており、これとの関連が疑われている。イノシシの死体を検査した独フリードリヒ・レフラー研究所(FLI)のトーマス・メッテンライター所長は、感染が国内ですでに広がっているかどうかをすみやかに調査する必要があると述べた。
ブランデンブルク州当局はイノシシの死体発見場所から半径15キロ圏内を暫定的な感染リスク地域に指定した。指定された地域では狩猟禁止措置などが導入された。
ウルズラ・ノンネマッハー州保健相が15日に明らかにしたところによると、同郡ではさらに5頭のイノシシの死体からウイルスが検出された。現在FLIが最終確認を行っている。
ドイツの豚肉輸出量は昨年、約240万トンに上った。そのうち約190万トンは欧州連合(EU)加盟国向けとなっている。クレックナー農相は、EU加盟国向けの輸出はおおむね維持できるとの見方を示した。アフリカ豚熱の感染確認を受けて日本、韓国、中国はドイツからの豚肉輸入停止措置を発動した。
アフリカ豚熱は致死率がほぼ100%のウイルス感染症。人間には感染しない。