荏原製作所は9日、ドイツに本社を置く海外グループ会社のEBARAプリシジョン・マシナリー・ヨーロッパ(EPME)が同国東部のドレスデンにドライ真空ポンプのオーバーホール工場を建設すると発表した。荏原グループは社会のスマート化を支える半導体製品の進化に製造装置、機器の開発で貢献する方針を打ち出しており、これに沿って新工場を設置する。EPMEにとってはスコットランドのリビングストンに次ぐ2カ所目のドライ真空ポンプオーバーホール工場となる。
ドレスデンにはハイテク産業が集積している。EPMEは同市の拠点で欧州市場向けの精密・電子事業を展開。現在は事務所と倉庫を併設している。オーバーホール工場は事務所の隣に建設し、2021年春の竣工を予定する。敷地面積は800平方メートル、投資費用は約160万ユーロ。
EPMEはドライ真空ポンプ、ターボ分子ポンプ、半導体チップ製造で用いられるCMP装置、化学産業などで用いられる排ガス処理装置の販売・サービスを主に欧州市場で展開している。EPMEのマネージングディレクターは、今回のプロジェクトの意義を「予測がつかないCovid-19(新型コロナウイルス感染症)の時代ですが、前を見てビジネスを成長させていく必要があります。EPMEは新たにオーバーホール工場を設立することで、荏原は増加する市場の需要により迅速に対応していくというポジティブなメッセージを発信します」と強調した。