電動車への懐疑なお大きく、価格や充電事情のほか環境効果にも厳しい目

電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の需要が急拡大しているにもかかわらず、これら電動車への懐疑的な見方がドイツで依然として強いことが、アレンスバッハ世論研究所の消費者アンケート調査で分かった。レナーテ・ケッヒャー所長は「Eモビリティは自然に普及するものではない」として、消費者の疑念を取り除くことが重要だとの認識を示した。

電動車を購入しない理由で回答が最も多かったのは「価格が高い」で、72%に達した。前年に比べ2ポイント減っているものの、依然として多い。国とメーカーの購入補助金を考慮に入れても内燃機関車に対する割高感は解消されていないもようだ。

「充電ステーションが少なすぎる」は69%に達し、前年の60%から増加。「充電時間が長すぎる」も54%から60%へと増えた。インフラ分野への評価が厳しくなっており、「充電ステーションが近くにない」も31%から32%へと拡大した。

環境上の疑問を投げかける消費者も少なくない。電動車は再生可能エネルギー電力で走行しなければ温暖化防止効果を発揮できないなどの弱みを内包しているためで、「電動車が用いる電力の多くは石炭などの在来型電源で発電されている」との回答は42%に上った。電動車を本当の意味で環境に優しくするためには電源の再生エネ化や電池リサイクル技術の確立、電池製造に伴う環境負荷の低減など多くの課題をクリアしなければならないことを、消費者は意識し始めている。

「航続距離が短すぎる」との回答は60%と高かったものの、前年に比べると9ポイントも低下した。電池性能の向上が反映された格好だ。

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