ベルリン新空港、9年遅れでようやく開港

ベルリン・ブランデンブルク空港(BER)の開港式が10月31日、行われた。コロナ禍を受けて式典参加者は少なく、寂しい船出となった。

BERは当初、2011年の開港を予定していた。だが、完成後に火災防止設備の不備が発覚。その後も新たな問題が次々と見つかったころから、開港が何度も延期されてきた。着工から開港までの期間は14年に上る。

工費も当初計画の3倍の約60億ユーロに膨らんだ。コロナ禍で空港使用料収入が極めて少ないことから、当面は補助金を受けて運営する見通しだ。経営陣は今年、最低でも2億6,000万ユーロ、来年は同5億5,000万ユーロの助成が必要だとしている。

関係者は将来的にフランクフルト、ミュンヘン空港に匹敵するドイツの空の玄関になることを期待している。だが、現時点で長距離路線の直行便が就航する見通しは立っていない。独航空大手ルフトハンザのカルステン・シュポール社長は「利益を度外視するのであれば参入する」と述べ、利益確保の目途は立たないとの厳しい認識を示した。

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