自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループ(ヴォルフスブルク)は中期投資計画を見直す方向だ。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受けて販売台数が大幅に減り、収入が落ち込むことに対応する考え。ヘルベルト・ディース社長は5日ブルームバーグ通信に、「計画を再調整しなければならない」と明言した。
同社は毎年11月中旬、次年度以降の5カ年の投資計画を策定している。昨年11月に策定した2020~24年の計画では電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、デジタル化に最大600億ユーロを投資することを決定した。有形固定資産・研究開発投資総額の40%強を占める計算で、同比率は前年11月に打ち出した19~23年計画を約10ポイント上回る。
これらの分野は今後の競争のカギを握ることから、21~25年計画で投資額を引き下げない。自動運転とデジタル化では投資を増やす意向だ。
ディース社長はコロナ危機で悪化した業績が回復していることから、外部資本に頼らず事業を展開できる見通しも明らかにした。