政策金融機関ドイツ金融復興公庫(KfW、フランクフルト)は6日、インドの大都市ムンバイの地下鉄建設プロジェクトに総額5億4,500万ユーロの融資を行うと発表した。通勤ラッシュの緩和と交通事故死者の削減、大気汚染の緩和に向けた取り組みを支援する。
ムンバイは人口2,000万人の巨大都市。通勤には自動車やオートバイ、近郊電車が利用されている。近郊電車で通勤する人は800万人と多く、列車はドアを開けたまま運行されている。乗客はドアからはみ出しており、1日当たり7人の死亡者が出ている。
ムンバイ都市圏開発公社(MMRDA)はこうした現状を改めるために計14本の地下鉄路線を整備。鉄道通勤の状況を改善するとともに、自動車やオートバイから鉄道利用への切り替えを促進し、渋滞と大気汚染の緩和を実現する意向だ。
KfWは独経済協力・開発省の要請を受け、ムンバイと郊外のターネーを結ぶ地下鉄4号線(総延長34キロ)の建設を支援する。同建設プロジェクトの総額は20億ユーロで、KfWは4分の1を提供することになる。プロジェクトでは駅周辺の歩道と自転車道も整備し、地下鉄に安全にアクセスできる移動環境を実現する。車線区画線と標識のほか、監視カメラを設置する計画。4号線が開通すると、温室効果ガスの排出量は最大で年12万1,000トン、削減される見通しだ。