航空大手の独ルフトハンザは6日、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる抗原検査を、搭乗前の乗客に義務付けることを一部のフライトで試験導入すると発表した。航空機の利用者を起点とする感染拡大リスクを大幅に引き下げることで、世界各国の入国規制緩和を実現したい考えだ。
独南部のミュンヘンと北部のハンブルクを結ぶ路線の一部の便で12日から試験導入する。実施するのは9時10分ミュンヘン発のLH2058便と、11時13分ハンブルク発のLH2059便。搭乗前の乗客に空港で抗原検査を実施し、陰性の乗客だけが搭乗できるようにする。検査料金は無料。
検査結果が出るまでに30~60分を要することから、乗客は早めに空港に到着する必要がある。発行後48時間以内のPCR検査で陰性を証明できる乗客は抗原検査を受けずに搭乗できる。抗原テストを拒否する乗客は搭乗できず、陰性証明を搭乗条件としない他の便に予約が変更される。
抗原検査はPCR検査に比べ精度が低いものの、結果が短時間で出ることから、フライトや大型イベント直前に行うのに適している。ルフトハンザはミュンヘン~ハンブルク線で得られたデータを分析して抗原テストに関する知見を獲得。抗原検査を実施すれば感染拡大を防止できることを実証し、入国規制の緩和と、低迷している国際線需要の拡大につなげる意向だ。