7-9月期成長率8.5%に上方修正、個人消費・設備投資・輸出がけん引

ドイツ連邦統計局が24日発表した2020年7-9月期(第3四半期)の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期比8.5%増となり、4半期ベースのGDP統計を開始した1970年以降で最大の伸びを記録した。前期はコロナ禍の直撃を受けて9.8%減と過去最大の落ち込みとなったが、第3四半期はその反動で個人消費と設備投資、輸出が急回復。全体が強く押し上げられた。統計局は今回、第3四半期成長率を当初の8.2%から0.3ポイント上方修正した。

個人消費(民間最終消費支出)は10.8%増となり、11.1%減となった前期の落ち込みがほぼ相殺された。設備投資も前期の15.1%減から16.0%増へと好転。内需全体では4.7%の伸びを記録した。輸出は18.1%増、輸入は9.1%増だった。

GDP成長率8.5%に対する項目別の寄与度が最も大きかったのは個人消費で、5.6ポイントに達した。これに外需(輸出-輸入)が3.9ポイント、設備投資が1.0ポイントで続いた。内需全体の寄与度は4.6ポイントだった。

各産業が創出した付加価値(物価・季節要因・営業日数調整値)をみると、製造は前期比14.0%増、流通・運輸・飲食・宿泊は13.8%増と伸び率が特に大きかった。建設は4.7%減と唯一、落ち込んだ。ドイツ全体の付加価値は8.0%増だった。

GDPは前年同期比では実質4.0%減(物価・営業日数調整値)と大きく落ち込んだ。コロナ禍前の水準を依然、大きく下回っている。

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