トレイトン―中国事業強化、傘下のスカニアが工場建設へ―

フォルクスワーゲン(VW)の商用車子会社トレイトン(ミュンヘン)は24日、スウェーデンの傘下企業スカニアが中国に工場を建設すると発表した。世界最大の同国市場でプレゼンスを強化する。マティアス・グリュントラー社長は「トレイトングループはグローバルチャンピオンとして世界のすべての重要市場で事業を展開する考えだ。スカニアの中国自社工場建設はグループ全体をこの目標の実現に大きく近づけるものだ」と意義を強調した。

上海の北西およそ150キロの如皋(じょこう)に工場を建設し、2022年初頭から量産を開始する。投資額や生産能力は明らかにしていないものの、工場を段階的に拡張していくとしている。アジアの他の国に輸出することも視野に入れている。

スカニアの販売台数が最も多い国は現在、ブラジルとなっている。トレイトンは同ブランドの中国販売が30年までに少なくともブラジルと同水準まで拡大すると予想している。

中国市場で販売されるトラックはこれまで低価格帯製品が中心だった。だが、近年は物流の効率化や環境規制の強化を背景に高価格帯製品の需要が増えていることから、スカニアは現地工場の建設を決めた。

トレイトングループでは独MANが2009年に同業の中国重型汽車と戦略提携するとともに、中国重汽株25%プラス1株を取得。技術供与を行って低価格の大型トラック・シリーズを共同開発し、現地で販売してきた。MANはまた、高価格帯製品を中国向けに輸出してきた。

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