機械輸出が底打ち、台湾・韓国向けは拡大

ドイツ機械工業連盟(VDMA)が20日発表した独業界の7-9月期(第3四半期)の輸出高は前年同期比12.4%減の398億ユーロと大きく落ち込んだものの、下げ幅は4-6月期(第2四半期)の22%から大幅に縮小した。9月は前年同月比の減少率が7.6%に狭まっており、VDMAの主任エコノミストは「コロナ危機に伴う独機械輸出の減少は底を打った」と述べた。危機前の水準まで回復するには時間がかかるとみている。

1-9月期の輸出高は1,183億ユーロで、前年同期を13.2%下回った。主要輸出先20カ国のうち増加したのはロシア(1.1%増)、トルコ(3.6%増)、韓国(3.1%増)の3カ国だけ。21位以下では台湾が10%増と大きく伸びた。

ロシアとトルコ向けが増えたのは、比較対象の2019年1-9月期の水準が低かったためだ。一方、台湾と韓国は新型コロナウイルス感染症の流行を速やかに終息させることに成功したほか、在宅勤務で用いるパソコンなどの主要部品を多く生産していることから、ドイツからの部品製造設備などの輸出が増えた。

最大の仕向け先である米国向けは11.0%、同2位の中国向けも7.2%減少した。日本向けは16.5%落ち込んだ。

1-9月期の機械輸出を部門別でみると、工作機械は31.1%減と激減した。このほか、精密工具(21.2%減)、フルードパワー(17.9%減)、物流・ロジスティックス技術(16.9%減)、建設機械・建築資材製造機械(14.7%減)などで減少幅が大きかった。

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