独米連合がコロナワクチンをEUに申請、月内に承認か

欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は1日、独バイオ医薬品企業ビオンテックと米製薬大手ファイザーの連合と、米モデルナから新型コロナワクチンの承認申請をそれぞれ受けたと発表した。EUでのコロナワクチンの使用申請は初めてとなる。

どちらのワクチンも米国で使用承認を申請済み。EMAは両ワクチンについて、感染症の世界的流行などの緊急時に際して必要なワクチンや治療薬の承認手続きを迅速化する制度を適用し、試験データを順次審査する「逐次審査」を開始しており、通常より早期に承認する態勢を整えている。ビオンテック・ファイザー連合のワクチンは12月29日、モデルナのワクチンは1月12日に承認の可否を判断する予定だ。EMAが承認を勧告すれば、EUの欧州委員会が数日以内に正式承認し、域内での接種が開始される。

EUはビオンテック・ファイザー連合から最大3億回分、モデルナから同1億6,000万回分のワクチンを調達する契約を結んでいる。このほか英アストラゼネカ、仏サノフィと英グラクソ・スミスクライン(GSK)の連合、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)傘下のヤンセンファーマ、独キュアバックとも契約済みだ。

これらのうち、アストラゼネカがオックスフォード大学と共同開発しているワクチンは高い有効性が確認されたばかりで、EU、英国などでの早期承認の期待が高まっている。また、EMAは同日、ヤンセンファーマのワクチンも逐次審査を開始したと発表した。

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