独電気電子工業会(ZVEI)がこのほど発表した同国電機業界の10月の新規受注高は前年同月比で1.8%増加した。増加は2カ月連続。国内が5.2%、ユーロ圏(ドイツを除く)が1.4%の幅で伸びた。ユーロ圏外は2.1%落ち込んだ。
1~10月の新規受注高は前年同期を6.9%下回った。ユーロ圏が10.9%、ユーロ圏外が10.0%、国内が2.3%縮小した。
10月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月比2.8%減となり、減少幅は前月の同5.7%から縮小した。1~10月は前年同期比8.1%減だった。
10月(第4四半期初頭)の工場稼働率は80.8%となり7月(第3四半期初頭)の75.4%から5.4ポイント改善した。
11月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の22.1%から15.7%へと減少した。「縮小」が同9.5%から13.3%へと増えたことから、拡大の割合から縮小の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI、無効回答を除いたベース)は前月の12.9ポイントから2.5ポイントへと大きく低下した。同DIがプラスの領域に入るのは3カ月連続。
同DIを部門別でみると、娯楽家電は前月のプラス34.6ポイントからマイナス39.1ポイントへと大幅に悪化。照明もマイナス36.7ポイントと振るわなかった。このほか、スイッチ・開閉装置(-4.2ポイント)と医療機器(-2.5ポイント)がマイナスに沈んだ。医療機器は前月のプラス27.6ポイントから大幅に落ち込んでいる。白物家電はプラス28.5ポイントからプラス5.6ポイント、電子部品はプラス23.7ポイントからプラス9.7ポイントへと悪化した。計測機器・プロセスオートメーション(+18.3ポイント)とケーブル(+11.5ポイント)が2ケタ台の伸びを確保した。
10月の業界売上高は前年同月比0.8%増の163億ユーロとなり、拡大へと転じた。地域別の内訳は国内が1.3%増、ユーロ圏が1.9%増、ユーロ圏外が0.4%減だった。
1~10月の売上高1,468億ユーロで、前年同期を7.2%割り込んだ。国内が6.6%、ユーロ圏が7.8%、ユーロ圏外が7.5%減少した。
11月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月のプラス1.8からプラス5.1へと上昇し、2カ月連続でプラスの領域を保った。改善は7カ月連続。現状判断指数(現状を「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)がマイナス8.8ポイントからプラス0.7ポイントへと上昇し、9カ月ぶりにプラスの領域に戻ったことが大きい。期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)は前月のプラス12.9ポイントからプラス9.5ポイントへと悪化した。
景況感指数は白物家電(+58.7)、娯楽家電(+26.1)、配線システム(+25.3)、スイッチ・開閉装置(+13.6)、情報機器(+13.0)で特に高かった。通信機器(-36.2)、鉄道車両(-26.8)、照明(-22.9)は前月に引き続き大きく落ち込んだ。
今後3カ月の輸出見通しを示す指数(DI)をみると、11月は前月のプラス8.4ポイントからプラス4.6ポイントへと低下し、2カ月連続で低下した。プラスの領域に入ったのは15部門中8部門(前月11部門)。プラス10ポイントを超えたのは電気駆動装置(+13.9ポイント)だけで、通信機器(-31.6ポイント)と照明(-23.3ポイント)はマイナス幅が2ケタ台に達した。