乗用車新車登録11月も大幅減

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した11月の乗用車新車登録台数は前年同月比31.7%減の19万8,258台と大幅に落ち込んだ。減少は5カ月連続。下げ幅は前月の34.9%からやや縮小したものの、依然として大きい。1~11月の累計は239万4,502台で、前年同期を8.1%下回った。

11月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(EV)は39.0%増の4万270台となり、これまでに引き続き拡大した。プラグインハイブリッド車(PHV)は前月に引き続き減少。8.9%減の2万7,899台へと落ち込んだ。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体でも17.6%減の5万9,251台と振るわない。

シェアをみると、EVは20.3%と全体の5分の1を占めた。PHVは14.1%、HVは29.9%で、EVとHVの合計は50.2%と初めて過半数に達した。

内燃機関車は需要の急減が止まらず、減少幅はガソリン車で43.6%、ディーゼル車で55.7%に達した。シェアはそれぞれ前年同月の40.4%から33.3%、24.3%から15.8%へと落ち込んだ。ディーゼル車はEVを大幅に下回っている。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は平均104.3グラムで、前年同月から17.4%減少した。純粋な内燃機関車が激減し、EVが大幅に増えたことが反映されている。

新車登録が増えた部門は大型車(3.8%増)だけで、そのほかはすべて減少した。減少幅は大型バンで最も大きく、69.9%に達した。SUVは11.0%減少したものの、シェア29.1%を確保。シェア2位のコンパクトカー(15.5%)との差を広げた。3位は小型車で15.2%だった。

主要ブランドのなかで前年同月を上回ったのは計5ブランドにとどまった。販売車種をEVに絞り込んでいるテスラ(234.1%増の5,613台)とポールスター(105.3%増の234台)は3ケタ台の伸びを記録。他の3ブランドはスバルが27.2%増の454台、三菱が17.8%増の3,429台、ミニが9.3%増の3,973台だった。

ミニ以外のドイツ車はポルシェが10.8%減の2,460台、スマートが11.3%減の2,677台、オペルが28.8%減の1万3,063台、BMWが31.8%減の1万6,738台、メルセデスが37.4%減の2万586台、VWが42.1%減の2万9,561台、アウディが44.9%減の1万548台、フォードが55.3%減の8,791台。

スバルと三菱以外の日本車はスズキが17.4%減の1,913台、ホンダが32.7%減の702台、レクサスが39.5%減の201台、トヨタが39.6%減の5,132台、日産が49.0%減の1,517台、マツダが59.2%減の2,421台だった。

日本車以外の主な輸入ブランドをみると、起亜は0.1%減の5,594台、現代も1.1%減の9823台と減少幅が小さかった。EV販売の強化が奏功しているもようだ。そのほかのブランドはフィアットが16.9%減の6,294台、ダチアが19.0%減の3,807台、アルファロメオが20.1%減の259台、ジープが21.0%減の1,145台、ルノーが23.7%減の1万516台、双竜が26.7%減の85台、ボルボが28.3%減の3,310台、プジョーが30.9%減の4,027台、シュコダが32.9%減の1万1,467台、ランドローバーが36.4%減の798台、セアトが38.8%減の5,685台、DSが44.8%減の148台、ジャガーが46.2%減の260台、シトロエンが47.5%減の2,357台となっている。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した11月の国内乗用車生産台数は30万7,200台で、前年同月を32%下回った。輸出台数は33%減の22万7,100台。1~11月は生産台数が前年同期比12%減の284万7,900台、輸出台数が10%減の217万8,800台だった。

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