感染は高水準も規制緩和を開始、3月20日には在宅勤務義務も廃止に

ドイツのオーラフ・ショルツ首相と国内16州の首相は16日のテレビ会議で、新型コロナウイルス感染防止策の緩和を取り決めた。新規感染者数はなお高水準にあるものの、減少に転じていることから制限措置を段階的に緩めていく。ショルツ首相は厳しい規制の効果で同国の感染状況は周辺諸国に比べて良好だと明言。「楽観的な見通し」が立つようになってきたと述べた。

ロベルト・コッホ研究所(RKI)の17日の発表によると、16日の新規感染者数は23万5,626人となり、前週同日(24万7,862人)比で5.2%減少した。人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数も12日の1,437.5人をピークに減少が続いており、17日は1,385.1人まで下がった。新規感染者の急増で懸念されていた医療体制のひっ迫は起きていない。

国と州はこうした状況を踏まえ、3段階で規制を緩和することにした。第1弾は会議当日の16日付で実施。マスクを着用していればワクチンの非接種者でも小売店に入店できるようになった。私的な会合の規制も大幅に緩和され、参加者が接種完了者と感染からの快復者だけであれば人数制限がなくなった。これまでは10人が上限となっていた。非接種者については自らの家族に他の家族の2人を加えた人数を上限とするこれまでのルールが3月19日まで適用される。

規制緩和の第2弾は3月4日付で施行される。レストランの店内飲食規制は「2Gプラス」から「3G」へと緩和。非接種者も陰性証明を提示すれば店内で飲食できるようになる。現在はブースター接種を受けた人、および陰性証明を提示する接種完了者(2回の接種)・快復者しか店内飲食が認められていない。3Gルールは宿泊施設にも適用される。

これまで営業を禁止されてきたディスコとクラブも解禁となる。ただ、飲食店などに比べ感染リスクが高いことから、2Gプラスを適用。入店できる人を制限する。

イベント規制も緩和され、収容率は屋内イベントで60%(最大6,000人)、屋外イベントで75%(同2万5,000人)が上限となる。2Gないし2Gプラスが適用されることから、非接種者は参加や観戦ができない。

3月20日からは規制緩和の第3段階が始まり、入場・入店制限など制約度の高い規制がほぼすべて撤廃。制限措置は不特定多数の人が出入りする屋内・公共交通機関でのマスク着用、社会的距離、手指衛生などのベーシックなものに絞り込まれる。在宅勤務の義務もなくなる。

ただ、個々の地域で感染者が急増し、地域医療ひっ迫の懸念が出てきた場合は、適切な制限措置を導入できるようにする。また、広い地域や全国で感染状況が悪化した場合は、法改正を速やかに行い再び厳しい規制を実施する。

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