電動車のシェアがやや低下、PHVの失速で

ドイツ連邦陸運局(KBA)が15日発表した電動車(乗用車)の1月の新車登録台数は3万9,823台となり、前年同月(3万6,911台)を7.9%上回った。ただ、乗用車新車登録台数は8.5%増えており、新車全体に占める電動車の割合は前年同月の21.7%から21.6%へと低下した。同割合の低下はKBAが電動車と環境対応車統計のプレスリリースを発表するようになった昨年1月以降で初めて。プラグインハイブリッド車(PHV)の不振が響いた格好だ。

同国では電気自動車(BEV)と燃料電池車(FCEV)、PHVが電動車とされ、購入補助金交付の対象となっている。FCEVは全国レベルの水素補給インフラが未整備のため、ほとんど普及しておらず、電動車の大半はBEVとPHVが占める。

1月のBEVの新車登録台数は28.1%増2万892台へと拡大。シェアは前年同月比1.7ポイント増の11.3%となり、これまでに引き続き上昇した。一方、PHVは8.2%減の1万8,900台で、シェアは12.1%から10.3%へと落ち込んだ。PHVはここ数カ月、低迷している。

電動車の割合が最も高いブランドはテスラ、スマート、MGロエベ(上海汽車系)、ポールスターで、すべて100%に達した。これら4ブランドは電動車の販売に特化している。5位以下は浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コー(94.7%)、ジープ(58.0%)、DS(49.1%)、ボルボ(47.5%)、プジョー(47.0%)の順で続いた。

スマート以外のドイツ車ではメルセデス(28.2%)、ミニ(28.2%)、BMW(27.3%)、アウディ(23.1%)、ポルシェ(21.8%)が全体の平均(21.6%)を上回った。VWは10.9%で、前年同月の20.7%から大幅に落ち込んだ。

日本車では三菱が33.9%となり、前年同月の27.8%から拡大。全体の平均を大きく上回った。日産は18.0%(前年同月10.2%)、レクサスは15.2%(0%)、ホンダは14.9%(21.7%)、マツダは7.2%(9.0%)、トヨタは5.5%(0.7%)となっている。

日本車以外の輸入ブランドをみると、現代が38.7%(35.6%)、ルノーが34.1%(23.1%)、ランドローバーが33.4%(6.9%)、フィアットが30.7%(10.7%)、起亜が27.8%(33.5%)と平均を上回った。

電動車にハイブリッド車(HV)などを加えた環境対応車全体の新車登録台数は7万6,821台で、前年同月を23.2%上回った。欧州連合(EU)排ガス規制の順守に向けた各社の取り組みが反映された格好。新車全体に占める割合は36.7%から41.7%へと上昇した。電動車専門の4ブランドにリンク・アンド・コーを加えた5ブランドが100%となっている。スズキ(98.7%)とホンダ(91.7%)がこれに続いた。

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