独電気電子工業会(ZVEI)が9日発表した同国電機業界の1月の新規受注高は前年同月を20.5%上回り、2カ月連続で2ケタ台の伸びを記録した。国内が23.9%増と特に大きく拡大。国外は18.1%増で、内訳はユーロ圏が14.7%増、ユーロ圏外が19.9%増だった。前月に引き続き大型受注で水準が押し上げられた。
生産高は物価調整後の実質で6.7%増加した。工場稼働率は88.5%と高水準が続いている。原材料・部品不足に伴う生産調整の影響もあり、受注残高は多い。1月は売り上げの4.8カ月分に達し、長年の平均(約3.5カ月分)を大きく上回った。
2月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合から「縮小」の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)は前月の37.6ポイントから41.6ポイントへと増え、4カ月連続で拡大した。
1月の業界売上高は前年同月比12.1%増の160億ユーロに拡大した。国内が13.9%、ユーロ圏が7.8%、ユーロ圏外が12.2%幅で増えた。
2月の業界景況感指数(DI)は38.3ポイントで、前月(33.8ポイント)を4.5ポイント上回った。増加は3カ月連続。現状判断を示す指数が50.5ポイントから47.9ポイントへと低下したものの、今後6カ月の見通しを示す期待指数が18.3ポイントから29.0ポイントへと上昇し、景況感指数が押し上げられた。ただ、加盟企業を対象とする2月の景況感調査はロシアのウクライナ侵攻前に終了しており、戦争勃発は反映されていない。ZVEIのチーフエコノミストは、「ロシアの侵略が業界にもたらす影響は現時点でほとんど予想できない」しながらも、サプライチェーンのひっ迫が一段と悪化する可能性を示唆した。
2月の輸出期待指数(DI、先行き3カ月)は前月の25.2ポイントから27.2ポイントへと上昇した。