豊田自動織機は3月31日、物流システムインテグレーターの独ヴィアストア(viastore)を完全買収することで合意したと発表した。欧州物流ソリューション事業を強化する。取引金額は非公開。7月以降の買収手続き完了を見込む。
ヴィアストアは自動倉庫と各種物流機器の制御・管理を行うソフトウエアを自社開発し、小売から製造、物流、食品まで幅広い業種向けに提供している。特に保管と搬送など、複数の工程を最適な物流機器とソフトで繋ぎ合わせる自動化分野に強みを持つ。西南ドイツのシュツットガルトに本社を持ち、同国とスペイン、フランス、ロシア、チェコ、米国、メキシコ、ブラジルの8カ国に計9拠点を展開している。雇用規模は昨年末時点で602人。2021年の売上高は1億3,900万ユーロ(約180億円)だった。
欧州では近年、eコマース市場の急速な伸長や労働力不足を背景に物流の自動化需要が高まり、大手通販会社などの大規模物流センターでは自動化が進展している。中小規模の物流倉庫でも一部の工程に特化した自動化へのニーズが増加。今後の市場拡大が見込まれることから、中小規模の自動化に強みを持つヴィアストアの買収に踏み切る。