ドイツ連邦統計局が20日発表した3月の生産者物価指数は前年同月比30.9%増となり、統計を開始した1949年以降で最大の上昇率を4カ月連続で更新した。ロシアのウクライナ侵攻(2月24日開始)を受け、上げ幅は前月の25.9%から5ポイントも拡大した。
エネルギーの上げ幅は83.8%となり、前月の68.0%から一段と拡大した。ロシアへの依存度が高い天然ガスで144.8%(前月125.4%)を記録。同取引所価格は607.1%、発電所向けは271.1%、産業向けは206.8%、再販事業者向けは169.9%に上った。一般世帯向けも41.8%と大きい。
電力は85.1%(66.5%)で、取引所価格は326.9%、再販事業者向けは139.5%、特別契約顧客向けは96.0%、一般世帯向けは11.2%だった。
石油製品は61.3%(34.5%)で、灯油が130.8%、自動車燃料が56.7%、液化石油ガスが52.4%となっている。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は14.0%(12.4%)だった。
中間財の上げ幅も23.3%(21.0%)と大きかった。原料高騰とサプライチェーンのひっ迫が響いた格好だ。中間財全体を最も強く押し上げたのは金属で、39.7%を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は55.0%、非鉄金属は30.3%、アルミニウムは57.1%だった。このほか肥料・窒素化合物(同87.2%)、木製梱包材(68.8%)、針葉樹材(57.5%)、肥料(45.7%)、紙(45.3%)、穀物粉(33.6%)などで上昇率が大きかった。
投資財は5.8%(前月5.5%)上昇し、1975年12月以来の大きな上げ幅となった。機械が6.4%上がり、全体を最も強く押し上げた。自動車・自動車部品(同3.8%)は押し上げ効果が2番目に大きかった。上昇率が特に大きかったのは金属骨組み(24.7%)、空調機器/冷蔵・冷凍庫(23.1%)、コンピューター部品・付属品(22.4%)。
耐久消費財は上げ幅が前月の6.7%から7.4%に拡大した。家具は9.4%に上った。
非耐久消費財の上げ幅も前月の7.5%から9.6%に膨らんだ。食料品は同12.2%で、非加工の植物油は72.3%、バターは56.0%、牛肉は31.1%、コーヒーは20.5%、豚肉は12.0%に上った。
生産者物価の前月比の上昇率は4.9%で前月の同1.4%から3.5倍に拡大した。上げ幅はエネルギーで10.4%、中間財で3.5%、非耐久消費財で2.9%を記録。エネルギーを除いた物価上昇率は2.3%(前月0.9%)だった。