フォルクスワーゲン―3月販売31%減少、戦争とロックダウンが追い打ち―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が14日発表した3月のグループ新車販売台数は前年同月比31.4%減の65万5,800台となり、減少幅は一段と拡大した。半導体不足で低迷していた生産にロシアのウクライナ侵攻と中国のロックダウンが追い打ちをかけた格好だ。

販売を地域別でみると、中国は36.9%減の21万7,800台へと落ち込んだ。足元の欧州は中東欧が42.9%減の3万9,300台、西欧が23.7%減の25万700台。その他の地域は北米が30.4%減の6万3,800台、南米が44.5%減の2万9,200台、中国を除くアジア太平洋が0.6%減の2万9,800台、中東・アフリカが35.3%減の2万5,100台だった。

ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は36.0%減の45万8,200台へと落ち込んだ。VWブランド乗用車が37.3%減の32万8,600台、シュコダが35.0%減の6万3,300台、セアト/クプラが31.9%減の3万5,300台、VWブランド商用車が26.4%減の3万1,100台となっている。

高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は23.1%減の14万4,100台で、主力のアウディは23.4%減の14万1,800台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は2.9%減の2万7,300台だった。

商用車子会社トレイトンの販売台数は2万6,100台で、前年同月を9.3%上回った。MAN(17.4%減の1万2,000台)とスカニア(30.5%減の6,500台)は減少したものの、昨年7月に買収した米ナビスターの7,600台が加わったことから販売増となった。

1-3月期のグループ販売台数は189万8,300台で、前年同期を21.9%割り込んだ。西欧が14.7%、中東欧が30.8%、北米が19.0%、南米が41.6%、中国が23.9%、中国以外のアジア太平洋が2.8%、中東・アフリカが34.2%の幅で減少。中国の販売台数は75万4,000台で、世界販売に占める割合は40.0%(前年同期40.7%)に上った。

ブランド・グループ別では商用車のトレイトンを除いてすべて減少した。大衆車は25.1%減、高級車は16.6%減、スポーツ車は5.0%減。トレイトンはナビスター買収の効果で12.3%増えた。

1-3月期の電気自動車(BEV)販売台数は9万9,100台となり、前年同期を65.2%上回った。地域別では中国が360.5%増の2万8,800台と全体をけん引。西欧は33.5%増の5万8,400台、米国は16.2%増の7,900台だった。その他の地域は計4,000台で、26.9%増えた。

ブランド・グループ別では大衆車が80.5%増の6万5,100台、高級車が66.2%増の2万4,200台、スポーツ車が4.4%増の9,500台、トレイトンが7.0%増の200台だった。個々のブランドではシュコダが259.7%増の8,800台と特に大きく伸びた。VWブランド乗用車は73.7%増の5万3,400台、アウディは66.2%増の2万4,200台、ポルシェは4.4%増の9,500台、MANは7.0%増の200台などとなっている。

販売台数が最も多かったBEVモデルはVWの「ID.4」で3万300台に上った。2位のVW「ID.3」(1万3,000台)を大きく引き離している。3位はアウディ「Q4 e-tron」(1万700台)、4位はアウディ「e-tron」(1万300台)、5位はポルシェ「タイカン」(9,500台)だった。

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