ドイツ連邦雇用庁(BA)が3日発表した4月の失業者数は230万9,000人となり、前月を5万3,000人下回った。コロナ禍の発生で悪化した労働市場の回復は続いており、季節要因を加味したベースでも1万3,000人減少した。ただ、デートレフ・シェーレ長官は「ウクライナに対するロシアの戦争により(雇用回復の)展開にブレーキがかかっている」と述べており、戦争勃発が雇用情勢に悪影響をもたらしているとの認識を示した。
4月の失業率は5.0%で、前月から0.1ポイント低下した。前年同月に比べると1.0ポイント低い。
国際労働機関(ILO)基準の3月の失業率は2.9%で、前月を0.1ポイント下回った。
新規に操短の届け出対象となった被用者の数は4月1~27日に計12万人となり、4カ月連続で減少した。コロナ規制の緩和を受け流通とサービス業で大幅に縮小したことが大きい。製造業ではサプライチェーンのひっ迫とウクライナ戦争を背景に生産調整が広がっていることから、増加が続いており、4月は前月を8%上回る7万8,000人に拡大。1月に比べると77%増えた。
4月の求人件数は85万2,000件で、前年同月を22万3,000件上回った。季節要因を加味した前月比でも1万件増加。求人指数BA-Xは前月を2ポイント上回る138へと上昇した。
一方、ドイツ連邦統計局が同日発表した3月の就労者数は季節調整ベースで4,520万人(暫定値)となり、新型コロナウイルスの流行が国内で始まる直前の20年2月比で0.1%(4万1,000人)増加した。20年2月を上回るのはコロナ禍の発生後初めて。前月比でも0.2%増えた。