ポルシェ―電池負極材メーカーに出資―

フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社ポルシェは4日、米国の電池材料スタートアップ企業グループ14テクノロジーズに資本参加すると発表した。ポルシェは子会社セルフォースを通して高性能電池の内製を計画しており、同電池用の負極材をグループ14から調達する意向だ。

グループ14は2015年の設立で、ワシントン州ウッディンビルに本社を置く。電池負極用のシリコン材料の分野で高い技術を持ち、現在は電気を起こす反応に関与する電極材料である電池活物質(BAM)をワシントン州の工場で商業生産している。韓国でも年内に生産を開始する予定だ。

グループ14は今回、シリーズCの資金調達で計4億ドルを確保し、負極材の生産を加速する計画。年内にも米国で新たなBAM工場の定礎式を行う予定だ。ポルシェはリード投資家として1億ドルを投資する。

ポルシェは昨年、フラウンホーファー研究所からのスピンオフであるカスタムセルズと共同で車載電池製造の合弁会社セルフォースを設立した。72.7%を出資し経営権を握っている。セルフォースはグループ14から調達するシリコン負極材を用いて24年から高性能電池セルの生産を開始。まずはモータースポーツとハイパフォーマンス車に搭載する。

リチウムイオン電池の負極材にはこれまでカーボン系の材料が使われてきた。これをシリコン系に改めると電池密度が高まり航続距離が伸びるほか、充電時間が短縮される。

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