LNGインフラの建設迅速化へ、法案起草支援を政府が了承

ドイツ政府は10日、LNG(液化天然ガス)インフラの建設を迅速化するための法案の起草支援を決議した。同国はロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア産ガスへの依存から早急に脱却する方針を打ち出しており、その実現に向けLNG再ガス化施設とこれに接続するパイプラインを簡単に設置できるようにする意向だ。法案は与党が連邦議会に提出。順調に行けば今夏にも必要なインフラ整備を開始できる。

ドイツは天然ガス輸入の55%をパイプラインで輸送されるロシア産に依存してきた。輸入先を他の国に切り替え多様化するためには、欧州域外から船舶で輸送されるLNGの受け入れターミナルなどが必要となることから、与党は政府の支援を受けて法案を作成。LNGインフラ敷設のハードルを引き下げる。具体的には認可や入札手続きを迅速化。広聴手続きの期間は2週間に短縮する。

LNGターミナルの候補地はブルンスビュッテル、ヴィルヘルムスハーフェン、シュターデ市ビュッツフレット地区、ハンブルク市モーアブルク地区、ロストック、ルブミンの6カ所。今後は法的、経済的な要因を踏まえて選定作業が行われる。

ドイツは2045年までに炭素中立を実現する目標のため、LNGターミナルと天然ガス輸送パイプラインは43年末までしか使用できない。法案にはこれを踏まえ、これらのインフラを将来、水素など炭素中立ガス用に転換できるよう設計することが盛り込まれる。

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