自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が13日発表した4月のグループ新車販売台数は前年同月比37.8%減の51万6,500台となり、減少幅は前月の31.4%から一段と拡大した。半導体不足に伴う生産低迷にロシアのウクライナ侵攻と中国のロックダウンが追い打ちをかけている。
減少幅が最も大きかった地域は中東欧で、55.5%減の3万1,000台と半分以下に落ち込んだ。ロシアとウクライナで販売が激減したとみられる。VWはロシアでの現地生産と同国向けの輸出を3月に停止している。
中国販売も49.7%減の14万2,800台と激減した。ゼロコロナ政策に伴う生産停止やショールーム入場規制が響いた格好だ。
そのほかの地域は西欧が28.9%減の19万7,900台、北米が24.5%減の7万1,900台、南米が46.8%減の2万5,300台、中東・アフリカが30.3%減の2万2,800台。中国以外のアジア太平洋は12.2%増の2万4,700と唯一、拡大した。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は38.9%減の36万9,600台へと落ち込んだ。VWブランド乗用車が39.9%減の26万2,100台、シュコダが37.4%減の5万3,000台、セアト/クプラが31.9%減の3万2,200台、VWブランド商用車が38.8%減の2万2,300台となっている。
高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は39.9%減の10万4,100台で、主力のアウディは40.5%減の10万1,900台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は16.0%減の2万4,000台だった。
商用車子会社トレイトンの販売台数は1万8,800台で、前年同月を19.9%下回った。MANが44.9%減の8,000台、スカニアが41.6減の5,300台と振るわなかった。ウクライナ製ワイヤーハーネスの供給が大幅に減り、生産調整を行ったことが響いた。昨年7月に買収した米ナビスターは5,600台だった。
1~4月のグループ販売台数は241万4,800台で、前年同期を26.0%割り込んだ。西欧が18.6%、中東欧が37.8%、北米が20.7%、南米が42.7%、中国が29.7%、中東・アフリカが33.2%の幅で減少。中国以外のアジア太平洋は4月が好調だったことから0.6%増と拡大に転じた。
ブランド・グループ別では商用車のトレイトンを除いてすべて減少した。大衆車は28.5%減、高級車は22.9%減、スポーツ車は8.1%減。トレイトンはナビスター買収の効果で3.3%増えた。