高級乗用車大手の独BMWは23日、ミュンヘン近郊に設置する車載電池セルの試験生産施設「セル・マニュファクチャリング・コンピテンス・センター(CMCC)」で環境保護上の認可手続きが完了したと発表した。今秋の開所を見込んでいる。
ファーターシュテッテン村パースドフルにCMCCを開設する。同施設ではリチウムイオン電池セルを量産に近い環境で試験生産。そこで得られた知見をもとにセルの生産条件をサプライヤーに指示し、高性能・高品質で低コストのセルを安定調達できるようにする考えだ。
まずは電極生産の設備を設置して稼働。次にセルの組み立て設備を設置・稼働させる。CMCCのフル稼働は開所の1年以上後となる。
投資額は約1億7,000万ユーロに上る。欧州連合(EU)の「欧州の共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで国と地元バイエルン州から補助金を受ける。従業員数は約80人。
セルの量産には巨額の投資が必要となることから、BMWは内製せず、外部から調達する方針を打ち出している。ただ、セルの技術や生産に関する知見を持っていないと自社のモデルに最適のセルを調達できないことから、CMCCを立ち上げる。モジュール化以降の工程は自ら行う。