ドイツ連邦統計局が5月30日発表した4月の輸入物価指数は前年同月比31.7%増となり、1974年9月以来の大きな上げ幅を記録した。ロシアのウクライナ侵攻が前月に引き続き反映された格好。上げ幅は前月の31.2%から一段と拡大した。
エネルギー価格は157.4%上昇した。天然ガスの上げ幅は301.2%を記録。石炭は同322.0%、石油製品は106.6%、原油は77.5%だった。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の上昇率が17.1(前月16.1%)だった。
中間財の上げ幅は前月の26.3%から26.8%に拡大した。上昇率は特に肥料・窒素化合物(185.6%)、アルミニウム(78.4%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(58.0%)、プラスチック(27.7%)などで大きかった。
投資財も上げ幅が前月の6.7%から7.4%へと拡大した。機械は7.9%、自動車・自動車部品は5.7%だった。
耐久消費財は1.4ポイント増の8.0%へと膨らんだ。
非耐久消費財は同11.9%となり、前月(10.5%)を1.4ポイント上回った。食料品は20.7%で、動植物性油種は38.8%、食肉・肉製品は22.5%に上った。
農産物は26.9%(前月23.7%)上がった。コーヒー生豆が68.6%、穀物が55.8%上昇。豚も28.9%増となり、2カ月連続で前年同月を上回った。
輸入物価指数は前月比では1.8%増となり、上げ幅は前月の5.7%から大きく縮小した。前月はウクライナ戦争勃発直後で、上昇率が特に大きくなっていた。
4月の輸出物価指数は前年同月を16.0%上回り、74年11月以来の大きな上げ幅を記録した。物価全体に占める比重が約3分の1に上る中間財が21.6%(19.9%)上昇し、水準を強く押し上げた格好だ。上げ幅は肥料・窒素化合物で135.7%、金属で38.6%に上った。輸出物価の前月比の上昇率は0.8%だった。