高級車大手の独BMWは1日、ハンガリー東部デブレツェンに建設する完成車工場の定礎式を行った。完全電気自動車(BEV)専用プラットフォームを採用した次世代の主力モデル「ノイエ・クラッセ」を2025年から生産する。
10億ユーロ超を投じ、年産能力およそ15万台の工場を建設する。敷地面積は400ヘクタール超。BMWは欧州の生産能力強化を通じ、中米欧の生産バランスを改善する。
新工場では米半導体大手エヌビディアの仮想世界シミュレーションプラットホーム「オムニバース」を導入し、製造工程全体について詳細なシミュレーションと最適化を行うほか、人工知能(AI)による予知保全システム、5G(第5世代)通信技術に基づく自律型の物流システムなどを導入。インテリジェントな工場運営を実現する。
また、BMWの工場として初のカーボンニュートラル(炭素中立)を実現する。同社は2020年代末までに、製造工程で排出される二酸化炭素(CO2)の量を19年比で80%削減する目標を掲げており、新工場はその達成に向けた重要なステップと位置付けられている。