欧州連合(EU)の欧州委員会とノルウェー政府は23日、エネルギー分野での協力を強化することで合意したと発表した。ノルウェーがEUへの天然ガス供給を拡大し、ロシア産ガスの供給制限でガス不足に直面するEU諸国を支援する。
欧州委のティーマーマンス第一副委員長(欧州グリーンディール政策総括、気候変動対策担当)とシムソン委員(エネルギー担当)、ノルウェーのオースラン石油・エネルギー相が合意し、共同声明を発表した。ノルウェーが天然ガス生産を拡大し、2022年にEUに対して100テラワット時(TWh)分のガスを追加供給する。
EUはロシアがウクライナに侵攻するまで、域内で消費するガスの40%をロシアから輸入していた。天然ガスはEUによる経済制裁の対象となっていないが、ロシアは技術上のトラブルなどを名目に、パイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州向けガス供給を制限。欧州委によると、EU加盟国のうちポーランド、オランダなど12カ国への供給が減っている。EUのガス消費の約4分の1を賄うノルウェーの増産、供給拡大は大きな支援となる。