フィリディウム―チューリヒの生保既存契約取得へ―

新規販売を停止した保険商品の既存契約を買い取って被保険者に引き続きサービスを提供する清算プラットホームの独フィリディウムは24日、チューリッヒ保険の独法人から生命保険の既存契約72万件を取得することで合意したと発表した。保有する生保契約件数を増やして資金運用効率を引き上げる狙い。取引金額は公表していない。

一定の利回りを顧客に保証する古典的な生保商品の既存契約をチューリヒから譲り受ける。これにより、フィリディウムの運用資産は210億ユーロ増の920億ユーロに拡大。同社は規模の効果で運用効率を引き上げ、収益力を高める考えだ。

フィリディウムはフランクフルト南部のノイイーゼンブルクに本社を置く企業で、独ハノーバー再保険、伊ゼネラリ保険、英投資会社シンヴェンが出資している。従業員数は900人。古典的な生保分野に経営資源を絞り込んでいる。

欧州中央銀行(ECB)の超低金利政策を受け保険料収入の運用が難しくなったことから、保険業界では数年前から古典的な生保の既存契約を清算プラットホームに売却する動きが強まっている。チューリヒはファンド型生保などに軸足を移動。金利変動リスクなどに対応できる体制を構築している。

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